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Before-After 緑の修景3

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一つのモノをつくるとき、一人で出来ることは小 さなものです。 だからそれぞれの専門知識と技術を持ちよって役割分担します。 ただそれが管理のしやすさやリスク回避ばかりに意識が行けば、それは良いチームではなく縦割りになってしまいます。 建築家や設計事務所とお仕事させていただく事が多いですが、可能なら建築設計の段階からランドスケープデザインも参加させていただきたいと声をかけます。 民間レベルだと実際そういかない事もあります。 ランドスケープを考える頃には前の業者はもういないということも。 長くお世話になっているお客さんの様子です。 初めて現場訪れた時はこんな感じでした。 個人のお客さんで予算や工程に余裕ない中仕方なくという時ももちろんありますが、つくる側に自分の仕事終われば後は関係ないという縦割りの意識が無ければもう少しやりようもあるのではと感じます。 この砕石を改めて重機入れて取り除き、処分し、土を入れて庭にする。 本来必要無い工程がコストとなってお客さんに乗っかってしまいます。 縦割りでなく、良いチームで仕事をしたいと強く思います。

Before-After 緑の修景 2

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 前回に続き緑の修景の力について。 借景という言葉を聞かれたことある方は多いと思います。 日本庭園について英語で書かれた文章の中にも borrowed landscape と表現されているものも見るようになりました。 元々ある英語ではもちろんありませんが。 借景というのが背景を取り込んで修景するというのは何となくイメージできるのではないかと思います。 むしろ自分が効果として大きいと感じるのは絵そのものより、背景を取り込むことで奥行き感が表現できることだと感じています。 長くお世話になっている個人のお客さんのお庭です。 施工前はこんな感じでした。 限られた敷地の中で奥行きを表現することは敷地になかなか余裕を持てない日本では特に有効です。 宅地開発で一気につくり上げられるところがどうしても平面的で奥行きを感じにくいのは、開発面積が大きければ大きくなるほど周りの景観を取り込むことが難しくなることも影響していると思います。 周りに緑があるなら、公園でも山でも河畔林でも取り込んで、深みのある修景を求めていきたいと思います!

Before-After 緑の修景 1

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植物には多くの力があります。 元気をもらったりリフレッシュしたりという無形のものから環境、生態系、最近ではエネルギーに関することまでその効果は幅広く認められています。 その中で緑のつくる修景の力について。 街の中に公共の場所でも個人のお庭でも気持ち良い緑が広がっていれば街歩きが楽しくなります。 何か用事を済ますために街に出るのでなく、街を歩くこと自体が目的の街歩きが増えることは、人々を健康にし、環境への意識を高くし、自分の暮らす街への理解を深め、コミュニティの結束も強くします。 以前施工した法人の中庭の様子です。 施工場所は札幌市街のど真ん中。 施工前はこんな感じでした。 市中の山居とまではいきませんが、窓から眺めたときに窓枠をフレームにして、生きた絵画のような修景をつくり出す力が植物にはあります。 環境、生態系はつながり、人には心地良い空間。 そんな空間づくりをしていきたいと思っています。

緑の骨格

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以前自然界には直線という概念がなく、だからこそ人工の直線ラインと植物をどう組み合わせるかで様々な効果のあることを書きました。 ‘骨格’という言葉を聞くと柱が立っていたり塀で囲われていたりというイメージかと思いますが、この業界では‘緑の骨格’という表現をすることがあります。 文字通り植物を使って空間構成の骨組みをつくるということですが、いくつかの手法や効果があります。 シンボルとしてのランドマーク、遠近感を強調するボスケ、緩衝帯としてのバッファ、視線の抜けを遮るアイストップなど。 どうしても空間を仕切る必要がある場面というのはありますが、それを高いコンクリートの壁で仕切るのか常緑樹の列植で柔らかな壁をつくるのかで印象は変わります。 また人工の壁は音も風も跳ね返しますが、植物の壁はそれを受け止め、吸収します。 骨格を見誤ることは空間全体に影響しますので、場面場面で自然素材か人工物が適しているのか、様々な角度から正しく判断することが大切だと考えています。

成長と成熟 2

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前回に引き続きランドスケープに求められる成長成熟について。 モノの価値観は大きく変わりつつあります。 パンデミックがその勢いを後押ししました。  力ずくで技術力とコストかけて開発するのではなく、自然界の生命力を再認識し、その恵みを改めて感謝しながら享受し共生することがサスティナブルで本当の幸せだという考え方が世界でも広がっています。 SDGsの17の目標にも、根底にそうした意識の高まりがあります。 今でも良いお付き合いさせていただいています法人の中庭になります。 今はさらに濃い緑をつくっていますが施工当初はこんな感じでした。 限られた敷地の中でたくましく育ってくれる姿に感動します。 我々専門の人間も限られた知識と技術の中で精いっぱい想像力を働かせてプランづくりをしますが、最後には植物の生命力に委ねるしかありません。 決して人が上ではないんですね。 植物と人間が良い関係を築けるよう、お手伝いしていきたいと思います。

成長と成熟 1

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 ランドスケープの事務所をしていますと言われてももう一つどんな仕事なのかピンとこない方もおられると思います。 実際多岐に渡る分野です。 造園、土木、建築、都市計画、まちづくり、全てに関わりますが、大きな特徴のひとつには将来へのビジョンに向けて成長成熟し続けることがあります。 つくってお終いではないんですね。 その空間づくりに植物が大きな意味を持つことも特徴のひとつです。 施工後も長く良いお付き合いさせていただいているお庭です。 施工から間もない頃はこんな感じでした。 植物は条件がきちんと整えば、その後植物自身の力で大きく育ってくれます。 街中やあちこちの庭でその成長成熟する姿が目に入れば街歩きが楽しくなるし、元気もらえますね。 この成長成熟を計画すること ランドスケープに求められる大きなものと考えています。

都市型緑化とインドアグリーン

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 サスティナブル、ヒートアイランド、カーボンオフセットなど以前はあまり耳にしなかった環境用語も頻繁に聞くようになりました。 菅首相も2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しています。 個人的にはドイツのように極端な大都市はなくそこそこに分散している方が健全だと考えていますが、経済活動の面では集積、集中という形態が効率的であることはコロナ後もあり続けるんでしょうね。 植物は大地に根ざすべきとは思っていますが、そういう都市部のいわゆる都市型緑化という中ではそうとばかりは言ってられない場面もあります。 屋上緑化、壁面緑化、そしてインドアグリーンや限られた土量やスペースでの植栽など。 意外と思われるかもしれませんが、難しいのはインドアグリーンです。 日照や水、寒さ、土、排水といったものはある程度想像できて対処する術もあるのですが、屋内空間では空気の流れを読むのが難しいんですね。 水と一緒で空気も流れなければ淀み、淀んだ空気の中で育つ植物は病気や虫がつきやすくなります。 空気の流れが読める そんな人間になりたい。 めっちゃ難しい・・・

直線と曲線と

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 自然界には直線というものが存在しません。 直線でないということはうまく使えば '柔らかさ' 'つながり' 'アンジュレーション'となりますし、そうでないときは'雑然''粗野''アンコントロール'となってしまうこともあります。 人と自然の関わりというのは里山はじめバランスが大切ですし、互いに相手の存在の意味を知り、尊重する思いがなければそのバランスは崩れます。 そこまで大袈裟なものではありませんが、デザインの中で直線をどう織り込むかは結構大きなポイントになります。 直線だらけならその空間は寒々しく無機質に感じられるかもしれません。 全く直線がなければ生活感のない、人が入り込みづらい場所と感じることもあると思います。 直線は人が創り出した概念だと意識しながら、自然の柔らかなラインに心地良く織り込めるといいなと思いながらデザインしています。

ナショナリズムとグローバル化

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 純和風の庭や茶庭という依頼を受けることはそれほどはありません。 ここ北海道の土地柄もあると思いますが。 いつになるやら分かりませんが、コロナが収まれば海外からの人の流れが戻るでしょう。 経済としてはありがたい事です。 しっかり地に足を着けて迎え入れたいものです。 外国語のサインが溢れかえって、住人は通勤もままならないというオーバーツーリズムは避けるべきです。 鎖国のように閉ざすのではなく、外に開きながら内にある大切なものは崩さない。 生活も空間もそんなバランスが取れると素敵ですね。

面で捉える

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 外構の設計ではコンセプト、動線計画、ゾーニングから始まり細部に落として行きますが、具体的に何を使ってという段階で 面で捉える という事をします。 外構ならではの考え方かもしれませんね。 個々の集まりだけでは空間としてまとまりなかったり、その後の管理が大変になったりすることもあります。 '使いやすさ' と '修景' と' その後の管理手間' を考えて面と点と線で組み立てる。 そこに樹木やパーゴラの立体感をうまく織り交ぜて奥行き感出せると段々深みが出てきますよ。