投稿

成長と成熟 2

イメージ
前回に引き続きランドスケープに求められる成長成熟について。 モノの価値観は大きく変わりつつあります。 パンデミックがその勢いを後押ししました。  力ずくで技術力とコストかけて開発するのではなく、自然界の生命力を再認識し、その恵みを改めて感謝しながら享受し共生することがサスティナブルで本当の幸せだという考え方が世界でも広がっています。 SDGsの17の目標にも、根底にそうした意識の高まりがあります。 今でも良いお付き合いさせていただいています法人の中庭になります。 今はさらに濃い緑をつくっていますが施工当初はこんな感じでした。 限られた敷地の中でたくましく育ってくれる姿に感動します。 我々専門の人間も限られた知識と技術の中で精いっぱい想像力を働かせてプランづくりをしますが、最後には植物の生命力に委ねるしかありません。 決して人が上ではないんですね。 植物と人間が良い関係を築けるよう、お手伝いしていきたいと思います。

成長と成熟 1

イメージ
 ランドスケープの事務所をしていますと言われてももう一つどんな仕事なのかピンとこない方もおられると思います。 実際多岐に渡る分野です。 造園、土木、建築、都市計画、まちづくり、全てに関わりますが、大きな特徴のひとつには将来へのビジョンに向けて成長成熟し続けることがあります。 つくってお終いではないんですね。 その空間づくりに植物が大きな意味を持つことも特徴のひとつです。 施工後も長く良いお付き合いさせていただいているお庭です。 施工から間もない頃はこんな感じでした。 植物は条件がきちんと整えば、その後植物自身の力で大きく育ってくれます。 街中やあちこちの庭でその成長成熟する姿が目に入れば街歩きが楽しくなるし、元気もらえますね。 この成長成熟を計画すること ランドスケープに求められる大きなものと考えています。

都市型緑化とインドアグリーン

イメージ
 サスティナブル、ヒートアイランド、カーボンオフセットなど以前はあまり耳にしなかった環境用語も頻繁に聞くようになりました。 菅首相も2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しています。 個人的にはドイツのように極端な大都市はなくそこそこに分散している方が健全だと考えていますが、経済活動の面では集積、集中という形態が効率的であることはコロナ後もあり続けるんでしょうね。 植物は大地に根ざすべきとは思っていますが、そういう都市部のいわゆる都市型緑化という中ではそうとばかりは言ってられない場面もあります。 屋上緑化、壁面緑化、そしてインドアグリーンや限られた土量やスペースでの植栽など。 意外と思われるかもしれませんが、難しいのはインドアグリーンです。 日照や水、寒さ、土、排水といったものはある程度想像できて対処する術もあるのですが、屋内空間では空気の流れを読むのが難しいんですね。 水と一緒で空気も流れなければ淀み、淀んだ空気の中で育つ植物は病気や虫がつきやすくなります。 空気の流れが読める そんな人間になりたい。 めっちゃ難しい・・・

直線と曲線と

イメージ
 自然界には直線というものが存在しません。 直線でないということはうまく使えば '柔らかさ' 'つながり' 'アンジュレーション'となりますし、そうでないときは'雑然''粗野''アンコントロール'となってしまうこともあります。 人と自然の関わりというのは里山はじめバランスが大切ですし、互いに相手の存在の意味を知り、尊重する思いがなければそのバランスは崩れます。 そこまで大袈裟なものではありませんが、デザインの中で直線をどう織り込むかは結構大きなポイントになります。 直線だらけならその空間は寒々しく無機質に感じられるかもしれません。 全く直線がなければ生活感のない、人が入り込みづらい場所と感じることもあると思います。 直線は人が創り出した概念だと意識しながら、自然の柔らかなラインに心地良く織り込めるといいなと思いながらデザインしています。

ナショナリズムとグローバル化

イメージ
 純和風の庭や茶庭という依頼を受けることはそれほどはありません。 ここ北海道の土地柄もあると思いますが。 いつになるやら分かりませんが、コロナが収まれば海外からの人の流れが戻るでしょう。 経済としてはありがたい事です。 しっかり地に足を着けて迎え入れたいものです。 外国語のサインが溢れかえって、住人は通勤もままならないというオーバーツーリズムは避けるべきです。 鎖国のように閉ざすのではなく、外に開きながら内にある大切なものは崩さない。 生活も空間もそんなバランスが取れると素敵ですね。

面で捉える

イメージ
 外構の設計ではコンセプト、動線計画、ゾーニングから始まり細部に落として行きますが、具体的に何を使ってという段階で 面で捉える という事をします。 外構ならではの考え方かもしれませんね。 個々の集まりだけでは空間としてまとまりなかったり、その後の管理が大変になったりすることもあります。 '使いやすさ' と '修景' と' その後の管理手間' を考えて面と点と線で組み立てる。 そこに樹木やパーゴラの立体感をうまく織り交ぜて奥行き感出せると段々深みが出てきますよ。

詳細設計と納まり

イメージ
 以前の投稿で基本構想してる時が一番楽しいかもと書いたことがあります。 何の縛りもなく好き勝手妄想してれば良いのならそりゃ楽しいですよね(笑)。 ただそれを形にしてこそプロというとき、各部位の詳細設計は必須です。 それを「納まり」と表現します。 この業界や建築の世界では毎日使う言葉ですがそうでなければ聞き慣れない言葉なのかもしれませんね。 この納まりを考えるのが大好きな設計士の方もいます。 自分はそうではありませんが(笑)。でも大切です。 以前ホテルの外構設計のお手伝いをしたときはクライアントにどうやったら伝わるか試行錯誤しました。 2次元の絵から立体的にイメージするというのはそれなりのトレーニングを必要とします。 それでも会話を重ねるうちに同じ絵を共有し出すものです。 必要なのは最後は対話ですね。 自分がデジタル人間で3DのCADをスマートに使いこなせりしたらもっと早く距離が縮まるのかもしれませんが(笑)。

屋上庭園、屋上緑化

イメージ
屋上庭園について相談を受けることも多くなりました。  ESG投資も拡大傾向にあり、企業は環境配慮への意識をより高く持っているかどうかが評価の指標の一つになっています。 個人邸は企業とはもちろん違いますのでご自身の身の丈に合わせて楽しみながらということが前提であるべきです。 地面から離れて育てるということは地上で育てる以上に気をつけることは多くなります。 排水、灌水、根づまり、風への対策に加え建物にかかる荷重、防水、ルートガードなど設計段階で建築設計と同時に考えるべき事も多くあります。 地上と違って建物の中を通らないと庭に出られないことも多い屋上庭園は管理など頼みたくても外の人を入れることに抵抗を感じることもあります。 つくる事だけでなく続ける事を意識して、設計段階でしっかりと専門家の意見も聞き取っていただきたいと思います。 屋上緑化の技術や製品も格段に良くなっています。 しっかりプランを練り上げることで出来ることはきっとあります!

緑を所有するのか共有するのか

イメージ
 植物を使う空間づくりを学ぶのに個人のお宅のお庭をつくらせていただくことは最高の学びの場です。 本当に多くのことをたくさんのお庭に関わらせていただくことで学ばせていただきました。 と同時に時代の変化や価値観も変わる中、今後の緑の在り方やその時の個人庭園の持つ意味といものも考えさせられます。 今は、特に若い世代はモノを所有するということに執着がありません。 車も所有からシェアとかカープールという形に変化してゆくのだと思います。 緑は? 植物の勉強を始めた30年前、訪れる人や家の前を通る人へのマナーとして、または品性やステータスの表現として設られる個人のお庭も少なくありませんでした。 今は自分自身の安らぎのため、自分の生活を豊かにするためという方が圧倒的に多くなっています。 所有する敷地の中で全てを完結して他と比較するという時代ではもうないですよね。 周りに素敵な緑が広がっているならその緑を共有して自分の緑と繋げてしまえばいいんです。 そうすることが空間を豊かにするし、本人にも個人で完結するよりも大きなものを感じることができるし、環境にも生態系にも優しい。 個人で楽しむ部分とシェアして享受する部分。 うまく使い分けて自分も周りもハッピーに!

'しっとり'という表現がぴったりくるのはやはり日本!

イメージ
 しっとりしたという表現にはとても良いイメージを持っています。 海外でも素敵なガーデンはいくらでもありますし、水辺だったり雨が多かったりする場面もいくらでもありますが、'しっとり'という言葉を最初に思い浮かべたことは無かったかもしれません。 日本で感じることはよくあります。 何の違いなんでしょうね? 単に水が多いとか濡れた感じだとかいう問題ではない何かがあるんでしょうね。日本独特の。 とても良いと思います。 長くお世話になっているお庭です。   洋風の庭も好きですが'しっとり'した庭 好きです。