「間にある都市」の思想

物を見る角度や視野の広さというものでその捉え方は様々です。
他のものには目もくれず、目の前のものに全身全霊で集中することで初めて見えるものもありますし、同じことを何年、何十年と続けることで初めて語れることもあるでしょう。

ランドスケープアーキテクトという職種には物事や空間を広角的に俯瞰で見ることが求められます。場面にもよりますが。
なかなかトレーニングしないと簡単に視野を広げるといっても難しいのですが、本を読むことでも少しまた視野を広げてもらえることがあります。



こちらの本もその一冊となりました。
ドイツの都市計画についての本ですが工業中心の時代からの人の暮らしの変化、車社会とともにスプロールした秩序のない分散した姿と重なる部分も多く、初版から少し経ちますが大変勉強になりました。

道路網やコミュニケーションネットワークの進化のスピードが目覚ましい中、介入しすぎず自由度も残しながらどう秩序を保つことができるのか。
そもそも今、そしてこれから都市に求められるものは何なのか。
利便性、経済合理性、スピード性ということだけ考えるのならば国境すら意識せず追求できるグローバル化の進んだこの時代の中で、人の暮らしということを省みた時見落としてならないことは何なのか。

本書の中で  ユートピアと伝統の双方が必要  という考えが紹介されています。
ユートピアを求めるあまり伝統を忘れてはならないし、伝統に縛られてすでに起こっている変化に目をつぶってもいけないということだと思います。

最初の言葉に戻りますが、広い視野が求められます。
変化のスピードが年々早くなり忘れがちになることもありますが、その中には人の暮らしがあり、その暮らしを守るためには変わってはいけないこともあります。

街を貫く幹線道路が、積み上げられてきた歴史の時間軸まで分断してしまうことのないように。


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